2016/08/21
小さい頃、ホットケーキが大好きだった。
私には3つ年上の姉がいて、家族四人でファミリーレストランへ行くと
良くホットケーキを注文していた。
その日は、たまたまいつもいくファミレスでなかったのは記憶している。
メニューの中にホットケーキがあったので、
いつもの感覚で私は注文した。
運ばれてきたホットケーキは美味しそうに黄金色に輝いてみえた。
身を乗り出しそうな私を親がなだめ、一緒に運ばれてきたメイプルシロップを
かけてもらうと、私は一丁前に、ナイフとフォークを装備し
ホットケーキと向かいあった。
その時だった。
やんちゃな姉が
“アイス溶けちゃうから早く食べちゃいなよ”
見るとケーキを滑り落ちそうに丸い形をしたアイスが
乗っかっている。おそらくバニラだろう。
姉の助言も背中を押し、豪華オプション的
バニラを豪快に一口で私は頬張った。
「んっ・・・」
次の瞬間、衝撃が走り、私はフリーズした。
そう、それはアイスではなくバターだったのだ。
何と紛らわしい。
慌てて口から出したが、あの時の食感と口の中の
違和感は今でも覚えている。
その時以来、丸くバターが乗っているホットケーキを見たことはないが
アイスクリームが乗っているとわかっていても
最初の一口は小さくなってしまうのだった。